レッスン全般

生徒のモチベーションが下がってきた時の対策

レッスンを長年していると、ピアノレッスンに通い始めたころは、ウキウキしてやってきてくれていたのに。。。。近頃は、ぐずったり、あまり笑ってくれなかったり、泣いて親御さんにしがみついていたり、「いつレッスン終わるの?」と聞かれたりと、どうもモチベーションが下がっているなぁ。。と思う経験をすることがあります。

 

特に年齢の小さい子ども達や、初めて半年目、一年目に起きる第一回目の「壁」かもしれません。

 

さて、少しずつ上達しているはずなのに、なぜモチベーションが落ちるという症状が発生するのでしょうか。

その「モチベーションがた落ち」病の原因を探ってみましょう。

 

病名:「モチベーションがた落ち」病

毎回、上手になればなるほどさらに難しい課題を出され続ける生徒たち。

毎回のハードル上昇に疲れてきたという場合があります。

一歩一歩階段を登ることに喜びを感じて続けてみたものの、、いくら登っても登ってもすぐ目の前に階段が現れる

もう50段ぐらい登った!!やったー!!と思った瞬間にもう50段が目の前にどーーんと現れたら、大人だってため息つきたくなるし、先の見えない長~~い階段にやる気も失せるでしょう。

また、「自分には無理だ。。。」という自信喪失にもつながっているかもしれません。

 

生徒本人はまだ年齢が小さい場合、なぜ自分が嫌な気分でいるのか理由を自覚している場合が少ないので、なぜ嫌なのか言葉でうまく説明ができません

なので、とりあえず、ぐずってみたりと態度で示してみた、、というのが「モチベーションがた落ち」の症状かもしれません。

 

治療対策

頑張ってきた生徒に、さらに「がんばれ!!」というのは酷な話です。

もうそんな軍隊のような指導方法では付いてくる子ども達はあまりいません(笑)

モチベーションが落ちている理由が、「自信がなくなった」ため、という可能性があります。

ちょっとレベルを上げるのをストップして、同じレベルものをたくさんさせたり、少しレベルを下げた課題を出すと急にパッと明るい表情になって、自分から弾き始めたりします。

「なに、これ、かんたーん!」と言いながら、弾く子もいるかもしれません。

この場合は、以前のレベルのものが簡単に思えるようになったことを認識することで、今自分はもっと上手になっているんだと実感してもらえます。

 

また、「かんたんにひけて、たのしいなー」と思う子どもたちもいるかもしれません。

たくさんの「弾ける喜び」を味わうことで、自信を感じられる経験をたくさんすることで、気持ちが明るくなっていきます。

 

小さい生徒さんには、たくさんの「できる!」感を味わってもらいながら、気分が乗っているところでヒョイっとちょっと難しいものを与えるというスタンスが効果的です。

 

分かります、どんどん進めたい気持ち!

以前、私はこのレッスン進度を止めるという行為に大変躊躇していました。

レッスン料を頂いている手前、進度を止めたり、逆戻りさせることは、親御さんに対して申し訳ないという気持ちがありました。

どんどん進ませてあげたいし、上手になってもらいたいし、親御さんにもその成長ぶりを喜んでもらいたいと強く思っていたからです。

 

「申し訳ない」と思いながら、「親御さんに頼りない先生と思われる」ことが怖かったんだと思います。

そして、「どんどん進ませたい」という願望は、講師の勝手な目標の押し付けなんだと思います。

 

「何のために私はレッスンしているのか」という問い掛けを自分自身にしました。

「生徒に我慢強い子どもになってほしいのだろうか?」と。

 

答えは「生徒にピアノが弾ける喜びを味わってほしい。そして、次はどんな難しいものができるだろうとワクワクしている生徒の顔がみたい」でした。

「親御さんに素晴らしい先生とほめてもらえるためにレッスンしているわけではない」と意識的に考え、「嫌われる」覚悟生徒と向き合うことにしました。

 

同じレベルものを与えて、喜んで弾いている姿を見ると、暗い表情をしているよりもよっぽどレッスンの雰囲気もよくなりますし、よっぽどたくさん弾いてくれます。

そして、なんと親御さんにも安心されました

「家でも練習させるのが大変だったんです」とか、「こちらも少し気持ちの余裕を持って練習に付き合えます」などという反応を頂きました。

極まれに「一切の甘えを与えないでください」という親御さんもまだいますが(笑)

 

結局、自分から前に進みだします。

子ども達は、私たちが心配しなくても、同じようなレベルのものを弾いて自信を取り戻すと「ちょっと難しいものやってみたい!」と自分から申し出てきます。

その時は、少しハードルが高くて時間がかかっても、諦めません。

自分で決めたことですから。

子どもを舐めちゃ~いけませんね。子どもにはちゃんと自分から進んでいく力があるんですね。

そして、極端ですが、私たちにできることは「サポート」だけなのかもしれません。

 

誰にだって波はある!

生徒にももちろんがあります。

自分でもうまくいかないことが腹立たしいこともある中で、「もっと頑張れ」なんて言われたら、逆にやる気を失せる

経験、一度は誰しもあるのではないでしょうか。

私は歯医者の定期健診受けるたびに「歯間ブラシしてください」と言われ続け、自分でもやろうと思いつつ、なかなかできなくて、そんな自分にちょっと情けなさも感じつつ、「だから歯間ブラシしてください」と言われたときには、もうやる気失せました(笑)

そして、「もうあなたには歯間ブラシしてくださって言うの辞めますね」と言われた瞬間、やろうかなと思いました(笑)

生徒の波に合わせる

ぐーんと伸びる時期、ちょっと停滞する時期。

それを感じ取って、それぞれの時期に合わせた対応をしていけたら、長い目で見て「〇」なんじゃないでしょうか。

こちらもその見解が外れることもあります。

とにかく講師だって、手探り状態の毎日です。

でも、押したり引いたりしながら、また親御さんとよくコミュニケーション取ったりする中で、きっと答えはおのずと見えてくるでしょう。

 

 

 

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