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リトミックレッスン

ミドル『ど』ポジションとは?

ミドル『ど』ポジションってなに?

ミドル『ど』ポジションは、両手の一番の指(親指)を真ん中のド(C4)に置き、一本ずつ両サイドに置いていくポジションです。

 

使用する音(楽譜上)

 

使用する音(鍵盤上)

ミドル『ど』ポジションの特徴と利点

ミドル『ど』ポジションは、未就学児のピアノ初心者にとってはとてもよい楽譜だと思います。

 

ミドル『ど』ポジションの特徴

  1. 初めから、大譜表を使う。
  2. 初めからト音記号、ヘ音記号が出てくる
  3. 音域が広いため、ポジション移動せずに演奏できるメロディが多い

 

ミドル『ど』ポジションの利点

  1. ト音記号とヘ音記号の関連性が見えやすい
  2. 最初から右手は上の譜表、左手は下の譜表という認識ができる
  3. 早い段階で知っている曲を弾くことができる

 

ミドル『ど』ポジションの教本

私のよく使っていた教本は、遠藤蓉子先生の教本。

特徴は、とにかくシンプル!

白黒のみで、絵も少ない。

たくさんミドル『ど』ポジションの教本は売られていますが、小さい子供たちは、色に敏感ですので、カラフルな楽譜だと集中力が散漫になってしまう傾向がありますので、この教本は子どもたちが集中してくれます。

そして、音符が大きい

小さいお子さんにはもってこい!かなりおススメです。

よいこのピアノ 1
  • 5~7歳児の初めてのレッスンに最適(私の経験上)
  • 使用されている音符は主に「4分音符」「2分音符」「全音符」
  • 最初は、右手だけ、左手だけ、集中して楽譜を読み、弾く練習があり、両手が出てきます。
  • 繰り返し同じ音域の復習ができるようになっているので、飽きずにとにかく数をこなさせたい小さいお子さん向け。

上の手と下の手

初めに「右手は高い音を担当します」「左手は低い音担当します」と教えます。私は右手を「上の手」とよび、左手を「下の手」と呼ぶと3歳以上はすぐに覚えてくれます。

レッスン例:

高い音域を右手で弾かせ(叩くだけでもよい)、弾く音域を左手で弾かせます。

私は、高い音域は「星の輝きの音」と言って、「星」のカードを見せて高い音をランダムに押して「キラキラ」したイメージの音で弾きます。もしくは一緒に弾きます。

低い音域は、「ぞうさんの足音」と言って、「ぞう」のカードを見せて、「ぞうさんのステップ」と言って、「どしーん、どしーん」とグーで足踏みする真似をして音を出します。

「星はどこにあるかなー?」「頭の上?それとも下のほうかな?」と質問し「上だね~」と答えを導き出します。

「じゃぁ、ぞうさんはどこにいるかな~?」「お空の上にいるかな~?」と質問するとすぐに「ちがうよー、下だよー」なんて答えてくれます。

そのあと、本当に理解しているかという確認と「聴音」もかねて、「星」のカード、「ぞう」のカードを持たせて、ピアノに背を向けて立ってもらい、弾いた音が「高い」のか「低い」のか当ててもらうゲームをします。

 

楽譜上でも「上の手」は『上の譜表の音を弾く』「下の手」は『下の譜表の音を弾く』関連付けできます。

 

なお、とても小さなお子さんたち2、3歳児の導入レッスンには、右手、左手別々に表記させたごくシンプルな楽譜が最も効果的と思われますが、少しなれたら、すぐにこの大譜表へと移行していきます。

2、3歳児の最初の教本について

一応、2、3歳児用のおススメの教本も紹介しておきます。

これまた遠藤蓉子先生の教本です。

とにかくシンプルなので、視覚からの情報として2、3歳児はホントにぴったりです。

私は、初めてこの教本を使うとき、本当に2、3歳児が楽譜を読めるようになるのか?と半信半疑で、不安なままレッスン始めましたが、あっという間に覚えてくれるのを目の当たりにして、私の方が感激でした。

自信をもっておススメできます。

小さい子のために ゴーゴーピアノ 1 (おんぷカードつき)
  • 右手の「ど・れ・み」を集中的に読む、弾く練習
  • 2ページ見開きで1つの課題
  • 左ページはリズムのみ、右ページに譜読みのみ
  • 1ページにつき一つのことに集中できる(例えば、リズムのみとか、譜読みのみ)
  • 次の音域に進むまで、たくさんの課題があるので、新しい曲に進みながらも、同じ音域の復習をしているので、子どもが確実に覚えていく

ゴーゴーピアノ2では、右手の「ど・れ・み・ふぁ・そ」まで学びます。

 

大譜表を早く取り入れたい理由

長い間、右手だけ(ト音記号のみ)、左手だけ(ヘ音記号のみ)で学習し、しかも左手のヘ音記号の譜表では、ドレミファソを弾いている場合は、ト音記号の譜表とヘ音記号の譜表がどのように関連しているのかイメージできずに、全くの別物として認識してしまうことがあるようです。

 

まず、右手に慣れてっと。

「ど・れ・み・ふぁ・そ」ね。

 

おっけ、じゃぁ、今度は左手。

え?「ど・れ・み・ふぁ・そ」なのに、全然違う場所にある!?

あー、覚えるの大変!

 

やっと覚えた。

そしたら、こんなんなって。

うわぁ、、なんか一度にたくさん。。。

上が、右手だよなぁ、、、えっと下だから、、、、左手か。

というか、右手も左手もト音記号だったらいいのにぃぃ~。

 

こどもたちの脳の中では、こんなことが起こっているようですが、うまく言葉にできない年齢ですから、ヘ音記号が出てきた時点から「?」となることが多々あります。

 

習っていることに「?」が出てくると、子どもたちは先生に対する信頼も薄くなっていきます。

 

難しいものを求めていない

未就学児の生徒たちに、一番心にとめておきたいことは、こどもたちは「困難を乗り越える」ことを求めてない!ということです。

 

「できる」経験がしたくてたまらない時期です。

 

3,4歳児は「できると思うことしか挑戦しない」という特徴があります。

ちょっと難しいけど、「やればできた!」という経験ももちろん大事です。

ただし、できるようになるまでの「時間」は短い方が無難です。

 

「むずかしい」を長期間続けたら・・・もうイヤだっ!!という拒否反応がでること間違いなし(笑)

 

小学高学年、中学生は少し先の未来を想像できますので、「頑張れば出来る気がする!」というビジョンがあるでしょうから、困難な課題に取り組むためのモチベーションアップも容易なことが多いでしょう。

 

ですから、年齢に応じた対応が必要ですね。

 

3、4歳児に向かって、「我慢しなさい」「最初からみんなできないのよ」などどいう言葉は絶対にモチベーションが上がらないことは分かっておいた方が、子どもにも、先生にも、保護者にも親切ですね(笑)

 

「がんばれー」と言って、がんばった結果、みんなが疲れ果ててしまうというのは、「あるある」です(笑)

 

忍耐強い子を育てる?

すぐにできるような課題を出すことは、将来も「我慢できない子」「忍耐力のない子」になると恐れられると思いますが、私はレッスンをしていく中でそうは思えなくなりました。

「できた」経験が多ければ多いほど、「できる」ということを知っているので、将来は多少な困難にも頑張れるのではないかと思います。

 

小さいうちになんとか頑張らせたとしても、その時受けたストレスは必ずこどもの中にたまっているので、発散させることをお忘れなく。

 

私よりも上手に弾いてコンクールでも賞をたくさん取って高校卒業同時にピアノを辞めたお友達を多数見ています。

 

長く続けるかどうかは、「どれだけ楽しい思い出があるか」によるんだと私は思います。

 

注)「楽しい思い出」というのは、どれだけ簡単、らくちんだったかということでなく「集中できたこと」「熱中できた」という意味であることは、お忘れなく!